朝起きて、まず「今日ちゃんと働けるかな」って考えてしまう日、ありますよね。
元気な日もあるのに、ちょっとした一言や予定変更で、心がぐらっとする。うまく言えませんが、「私の脳、社会と合ってへんのかな…」みたいな不安がふっと出てくることもあります。
最近よく聞くようになった「ニューロダイバーシティ(脳の多様性)」という言葉は、そんな不安に対して、少しだけ見方を変えるヒントになるかもしれません。
ただ、きれいごとだけでは終わらせたくない。今日は「ほんまに強みにできるん?」という疑いも含めて、ゆっくり書いてみます。
ニューロダイバーシティとは?「違い」を前提にする考え方
ニューロダイバーシティは、ざっくり言うと「脳の働き方の違いは、間違いじゃなくて“多様性”」という捉え方です。
発達特性や感覚の敏感さ、注意の向き方、疲れ方のクセ。そういうものを「直すべき欠点」だけで見ないで、「得意・不得意の形が違うだけかもしれない」と考えてみる。
でもね、ここでいきなり「あなたの特性は才能です!」って言われると、しんどい人も多いと思うんです。
できないことが減るわけじゃないし、生活は続くし。だから私は、“強み”って言葉を急いで信じなくてもええと思います。まずは「困りごとが起きる仕組み」をほどいていく方が、現実的やったりします。
障害者雇用と合理的配慮で変わる「働きやすさ」の作り方
「働きやすさ」って、気合いより設計の問題が大きいです。
たとえば、同じ仕事でも「指示が口頭だけだと混乱する」「同時進行が苦手」「音や光で消耗する」みたいに、つまずきポイントは人それぞれ。ここを“本人の性格”で片づけられると、自己否定が増えてしまうんですよね。
だからこそ大事なのが、職場側と一緒に「どうしたら続けられるか」を具体化すること。
合理的配慮という言葉も広がってきていて、働く側が「こうしてもらえると助かる」を言葉にしやすくなってきました。とはいえ、言うのは怖い。遠慮もある。そこは当然です。
私がよく思うのは、配慮って“特別扱い”じゃなくて、“性能を出せる状態に整える”ことに近い、ということ。
眼鏡がないと見えにくい人が眼鏡をかけるみたいに、脳の働き方に合わせて環境を整える。ほんまそれだけの話…と言えたらいいのに、って感じです。
特性を強みにするには「仕事を分ける」発想が役に立つ
「強みに変える」って、いきなり人生が好転する魔法じゃないと思います。
むしろ、強みが出る場面を“切り出す”ほうが近い。
たとえば制作系の仕事だと、同じ“作品づくり”でも工程がいろいろあります。
アイデア出しが得意な人、線を整えるのが得意な人、配色が落ち着く人、文章で世界観を作れる人、チェックが丁寧な人。得意が違うだけで、チームとしてはすごく強い。
スマイルラボでも、イラスト制作やWeb制作、アクセサリー制作や輸出に関わる作業など、やることの形がけっこう違います。
「一人で全部やる」より、「ここは私がやりやすい」「ここは手伝ってもらう」を混ぜたほうが、結果的に“続く”んですよね。続いた先に、やっと自信が生まれることもあります。ゆっくりでええんやと思います。
そして、もし今「私は強みなんてない」と感じているなら、それは“まだ切り出せてないだけ”かもしれません。
向いてない場所で消耗していると、得意も一緒に沈んでしまうから。場所と役割を変えるだけで、息がしやすくなることって、ほんとにあります。
最後に。
ニューロダイバーシティの話は、前向きに語られがちです。でも私は、前向きじゃない日がある前提でいいと思っています。信じきれない日があっても、怖がりながら選び直してもいい。
「強み」じゃなくて、「まず続けられる形」を探す。そう考えるのも、ひとつの方法かもしれません。
